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序章「生い立ちから就職まで」
ぼくは、ナガオリョウイチ。
1953(昭和28)年、長崎県で4人兄弟の末っ子として生まれた。
上はすべて姉。自分でいうのも何だが、皆美人だ。友人からは、かなり羨ましがられた。
彼女たちもたった一人の弟だから、いつもかわいがってくれた。ぼくが何か頼めば誰かがいうことを聞いてくれた。3人もいるから、いつもぼくを取り合った。
父は菓子問屋を営んでいた。
戦後間もない時代にしては、けっこう裕福だった。ぼくがただ1人の息子だったので、父は姉たちより断然ぼくをかわいがった。
その結果、しつけはかなり甘かった。お菓子屋だけにね。周りは、みんなぼくを甘やかせた。
しかし家庭内でただひとり、ぼくに厳しい人がいた。
それは母。
彼女は、玄界灘近くの武士の家から嫁いで来た。高い理想をもった女性で
「男たる者、質実剛健でなければならない」
という考えの持ち主だった。
女だけど“ザ・九州男児 ”といった感じ。ぼくは長男なので、母はかなり期待していたらしい。いつもこんなことばを口にしていた。
「男だったら、一度決めたらあきらめるな!」
「男だったら、勝つまで戦え!」
「男だったら、群れる羊より一匹狼として生きろ!」
「男だったら、狭い井戸より広い海で勝負しろ!」
他にも毎日のように名言を発した。
島田洋七の“がばいばあちゃん ”は佐賀県だが、彼女はその長崎版だ。
こうして、ぼくの基本的な性格ができていった。
子どものころ大好きだったストロベリーケーキにたとえると、こんな感じだ。
坊ちゃん兼末っ子の甘え体質が、スポンジケーキ。
その上に、九州男児の押しの強い性格がクリームとしてべったり塗り込まれた。
さらに西の人間特有のラテン的陽気さが、イチゴのように並んでいる。どう、おいしそう?
そんなぼくも、やがて青年となった。
こうして、ぼくの基本的な性格ができていった。
子どものころ大好きだったストロベリーケーキにたとえると、こんな感じだ。
坊ちゃん兼末っ子の甘え体質が、スポンジケーキ。
その上に九州男児特有の押しが強く勇敢な性格が、クリームとしてべったり塗り込まれた。
さらに西の人間特有のラテン的陽気さが、イチゴのように並んでいる。どう、おいしそう?
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