僕が君に触れるとき

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「実際に触れてみたら、わからないわ」  美湖は、僕の近くまで来てガラスに手を付けた。僕も、美湖がそうするようにガラス越しに美湖の手を合わせる。  その間に、体温は感じられない。 「ねえ、今日が何の日か知ってるでしょう?」 「うん。知ってるよ」  今日は美湖がこの部屋に来てから6回目の誕生日だった。  僕が予想していたよりずっと、美湖は細々と命を繋いでいた。命の危険を何度か経験したけれど、彼女は「私はあなたに殺されたいの。だから病気には負けていられないわ」とその度に力強く言った。 「じゃあ、私にプレゼントを頂戴。今まであなたからプレゼントなんて一度ももらったことがないから、今回くらいわがままを聞いてくれたっていいんじゃない?」 「でも、君は僕にこの部屋に入れというんだろう?」
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