僕が君に触れるとき

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 でも、美湖はいつも一人でいることを好み、まるで自分の他には教室に誰もいないような風に静かに過ごしていた。  そんな美湖に興味を持った僕は、転校して初日の帰り道、たまたま美湖の後姿を見つけて一緒に帰路に着いた。その時は美湖が隣に住んでいるとは知らなかった。いつまで経っても帰り道が一緒だから不思議に思っていたら蓋を開けてみればお隣さんで、あのときはかなり驚いたものだ。  帰り道は僕が一方的に喋っていたけれど、その事実が発覚したときに、彼女は僕に「あれ、隣だったのね」と言って初めて微笑みを向けた。  この瞬間、僕は恋に落ちた。
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