第一章

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ジーナの心中を察したのか、長老は話を変えた。ジーナは微笑みを浮かべ、 『よく育っています。一度、厩舎へご一緒してくださいませ』 『そうね、一度見に行きましょう…』 祖母の言葉にジーナは口許を緩めた。 その時、部屋にノックの音が響いた。ジーナがドアを開くと、そこに立っていたのはタカヒロだった。 『タカヒロ様…ごきげんよう…』 ジーナが頭を下げると、タカヒロはにっこりと微笑んだ。 『タカヒロ様、いかがされましたか?』 老婆の問いかけにタカヒロは妖しい微笑みを浮かべる。 『ジーナにお願いがあって…』 『わたくしにですか?』 タカヒロの急な言葉に戸惑いを浮かべるジーナ。 ジーナはタカヒロを部屋の中に招き入れようと背中を向けた。その彼女の手をタカヒロが掴む。驚いて振り返るジーナ。タカヒロは掴んだ手を引き寄せ彼女の耳元で囁いた。 『わたしのパートナーになってはもらえないだろうか?』 唐突なタカヒロの言葉にジーナ頬を真っ赤に染めている。 『え?』 言葉にならないジーナを見てタカヒロは笑い出した。 『タカヒロ様、わたくしで遊ぶのはおやめくださいと、何度も申したはずです!』 言葉を荒げるジーナの様子にさらに笑い声を高くするタカヒロ… 『いや、ジーナ、今回は本当にパートナーをお願いに来たのだよ』 『お断りします』 ジーナの機嫌を損ねたことを感じたタカヒロは笑うのをやめてジーナに向き合った。
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