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その奇妙な店は、傍目には普通に見えた。
木材でできたカントリー風の喫茶店で、いかにも女性がすきそうな店だがとある噂の舞台になっており入る客を見たことがない。
僕、木野 空は高校の友人との勝負に負け罰ゲームでこの奇妙な店にいくことになった。
---ああ、嫌だなあ。今日はこのまま帰ってしまいたい。行ったと嘘をついてゆるしてくれたらいいのに
ドアの前でうろうろしていると木材を焼いた焦げ臭い臭いが漂ってくる。
---まさか、火事!?
それを認識したとたんに先ほどまでの怖さをわすれ、慌てて中に飛び込んだ。
中ににいたのは、同い年くらいのアイドルになれるくらい可愛い黒髪に灰色の鳴くワンピースを着た女子。
彼女はフライパンを両手で持ちながら、突然入ってきた僕に真顔で固まっていた。その間も焦げ臭い臭いが漂い続けている。
しばらく二人で見つめあっていると
「あれ、お客様なぜこんなところで立ち止まって・・・・雪乃!何をしているんだ。台所に入るなといつも言っているだろう!」
「大地、おかえり」
「おかえりじゃない!」
二十代くらいの執事風な服を着た優しげな男が来たと思うと、現状に気付きあわてて荷物を僕に渡して無表情でたたずむ少女がいるキッチンにむかった。
---雪乃っていうのはあの娘の名前かな?
僕は男のあわて具合に何となくおちついてしまう。
すぐに火を止め、雪乃に説教した店長に荷物を返したあとにお客様として席に案内された。
「お客様をほっておいたうえ、騒がしくしてしまいすいません。ほら、雪乃も」
「・・・・・ごめんなさい」
雪乃さんは、頭を下げた後にもうようはすんだと隅の席に行ってしまう。大地さん--店長は慌てて止めるが彼女は気にしない。店の上下関係がわかったきがした。
「気にしないでください。僕も固まってないで何か対処をすればよかったんですから。あ、注文いいてすか?」
「はい」
「今日の店長のオススメ紅茶をひとつ」
「少々おまちください」
店長は、ぺこりと頭を下げた後にキッチンにさがる。
僕は手持ちぶさたになり、スマホをいじりはじめた。
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