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待ち合わせ場所は遊園地の前のカフェ。
もう待ち合わせの時刻になってしまった。
「どうしたらいいんだ~!
これからデートなのに、
こんな異色の格好で行ける訳がない・・・だろ?」
「怪我をしたヤクザが、警察病院から脱走してきたみたいな
格好ですからね。ははははっ
冗談ですよヒフミさん!」
マネージャーの岩倉は的確なことを言った。
「笑えないね。岩倉ちゃんが俺のフリをして行くのはどうかな?」
「別人が入れ替わってなんて
そんなバカな話ありませんよ。」
「そうだよな。バレバレだなー。」
デートの相手はみきちゃんだって岩倉に言ったら
代わりに行くって言い出しそうだけど黙ってよう。
「どんな格好でもヒフミさんは様になりますから大丈夫ですよ。
ではこれで失礼します!」
「おいおい行っちゃうのかよ。」
「それと、あとで病院行ってくださいね。
傷跡が残ると仕事に支障が出ますので・・・」
岩倉は俺を置いて車を出した。
「様になってるか?」
ガラスに映る自分の姿を見て確認した。
サングラスがちょっとヤクザっぽいか?
しかしこれがなければ
恥ずかしくて人の目を見れない。
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