天使からの贈り物

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観覧車の中で 俺はじっとみくちゃんの顔を見ていた。 みくちゃんはカチャカチャやりながら 俺の手元を見ている。 早く手錠がはずれてほしい。 みくちゃんとまともなデートをしたいものだ。 しかしなかなか思い通りには行かない。 頭がボーっとしてきた。 眠気のような感覚。 ずっと痛んでいた頬と頭の痛みから解放されたくて 俺はうとうとしていた。 「はずれた~!」 みくちゃんの嬉しそうな声で 眠気が覚めた。 「すごいね~みくちゃん。 やっと服が着れる。」 袖を通してボタンをはめた。 「私ってすごいのかな?・・・ うわぁ~夜景きれいだね。」 「そうだね。」 「でったんきれい! フミの真似だよ~へへっ。 もうちょっとで頂上だ~!」 俺は立ち上がって みくちゃんと向かい合わせに座ろうとした。 身体の向きを変えたとき、 激しい頭痛とめまいがした。
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