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「E→Zじゃん」
イントロだけでいち早く反応した誰かの声で、教室内は一瞬にして静かになった。
こんな古くて、しかもマイナーなアメリカの歌手を知ってる子がいるなんてねぇ。
「えー、誰の歌?」
「イーズって言うの?」
「つか、先生が流してんの?」
「授業中でしょー!いいのー?」
うるさいっ。
私はね、彼らの綺麗な英語の歌詞をみんなに聞いて欲しいの。
たかが『歌』、されど『歌』。
「これはね、今日みんなに………」
しどろもどろながらもどうにか説明しようとした私の言葉を遮るように、
「いいよね、E→Z。オレすげぇ好き」
さっき一番に反応したのと同じ声がもう一度聞こえてきた。
「えっと、今のは誰、かなぁ?」
ぐるんと見渡すと生徒のほとんどの視線が1箇所に集まっていた。
そこには、
腕を組み、椅子に斜めに腰掛けた姿勢でこっちを見ている窓側の一番後ろの男の子が。
「はーい。オレ…………南雲でーす。
南雲斗弥(とうや)。
お久しぶり、センセ?」
そんな自己紹介をした。
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