*谷川 麻由華

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「るみ、明日からユニバ行くから無理~、まゆちゃん、ごめぇ~ん。」 ぽかぽか陽気が差し込む教室。 向かい合って座っている三人の少女の一人が甘い声でそう言うと、お弁当箱の中のブロッコリーを避けながら悪びる様子もなく、次の話題を話し始める。 少し明るい髪色に、クルッと天然パーマがかかったその少女、中西るみは、その後もせわしなく話し続けた。 そんなるみの話を頷きながらニコニコ聞いている少女、谷川麻由華。 サラサラの肩まで伸びた髪は、少し栗色がかっていて、こぼれ落ちそうな大きな瞳と、透き通る様に白い肌が印象的だ。 「いいなぁ、るみ、ユニバかぁ・・・。私んちはパパ、まだタイから帰ってこられないし・・・帰って来ててもママのテニスあるから無理だけど。」 麻由華はため息をつきながら、るみを羨ましそうに見つめた後、手元のお弁当に視線を戻した。
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