第1章 出会い

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ハニーブラウンの髪色の女性と艶やかな黒髪の男性。女性は男性の胸に両手をつき、甘えるように見上げていた。 男性は彼女の顔を覗き込むように、唇を見つめている。 顔と顔の距離がすごく近い。 女性はお酒に酔っているのだろうか。足下が覚束ないようにも見え、男性の庇護欲も刺激してくる、といった感じだ。 男性が女性の耳元で何かを囁くと、そのまま女性の耳へキスを落とし、女性はピクリと体を震わせた。 その光景に私の目は、釘付けになっていた。 これは映画ではなく、実体を目の前にした現実なのだから。 次に女性が男性の首に両手を回し彼の頭を引き寄せる。男性の耳元に唇を寄せると何かを囁き、近づいた距離のままに男性がキスをしようとするが、女性が横を向いて交わす。 その時彼女の視界に私は入ったと思った。だから、見られていることを気にして、男性から離れるのかと。 だけどまた、男性を見上げ顔を寄せていく。その間は5センチもない。その距離で2人は何か会話をしているが、小声なので、私に内容までは分からない。
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