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あるところに、一つの街がありました。 街は色とりどりの色で飾られていました。 空の青、 葉の緑、 花の赤 日の光の白 夜の黒に、星の黄色 それはどれも鮮やかで、一つ一つが己の色を表していました。 あるとき色の神様は言いました。 「この世界で一番きれいな色を決めよう」 色たちは自分の色の素晴らしさを主張しました。 けれど、どの色も互いの色の言葉を聞くことはありません。 だって、自分の色が一番だと思っているのですから。 遂に色たちは相手の色がなくなるよう、相手の色を奪い始めたのです。 しかし、それは自分の色を変えていくこととなりました。 交じりに混じった色はついに黒へと変化していったのです。 そして、混じった色たちは黒に勝ち目がなくなったのです。 それをみていた白は言いました。 「私も混ぜて」 黒は自分の力で白を飲み込みました。 すると、黒はだんだんと薄くなっていったのです。 その様子をみていた色の神は言いました。 「残ったのはこの色か、では、そなたを一番綺麗な色としよう」 残った灰色以外もう他の色は残っていません。 嘆き悲しんだ灰色は言いました。 「僕を作るには白も、黒も必要です」 それを聞いた色の神は 白、黒、灰 この3色だけを残していなくなってしまいました。
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