1人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
1
あるところに、一つの街がありました。
街は色とりどりの色で飾られていました。
空の青、
葉の緑、
花の赤
日の光の白
夜の黒に、星の黄色
それはどれも鮮やかで、一つ一つが己の色を表していました。
あるとき色の神様は言いました。
「この世界で一番きれいな色を決めよう」
色たちは自分の色の素晴らしさを主張しました。
けれど、どの色も互いの色の言葉を聞くことはありません。
だって、自分の色が一番だと思っているのですから。
遂に色たちは相手の色がなくなるよう、相手の色を奪い始めたのです。
しかし、それは自分の色を変えていくこととなりました。
交じりに混じった色はついに黒へと変化していったのです。
そして、混じった色たちは黒に勝ち目がなくなったのです。
それをみていた白は言いました。
「私も混ぜて」
黒は自分の力で白を飲み込みました。
すると、黒はだんだんと薄くなっていったのです。
その様子をみていた色の神は言いました。
「残ったのはこの色か、では、そなたを一番綺麗な色としよう」
残った灰色以外もう他の色は残っていません。
嘆き悲しんだ灰色は言いました。
「僕を作るには白も、黒も必要です」
それを聞いた色の神は
白、黒、灰
この3色だけを残していなくなってしまいました。
最初のコメントを投稿しよう!