うぃるふる!

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   ーーひゅるん、と裏庭に風が吹き抜ける。  ボクの大声に、ご主人さまは鬼の形相のまま固まってしまった。もちろんボク自身も、眼球はないけど目の玉が飛び出るくらいビックリ仰天。 「え? え? ボク、ええっ!? なんでしゃべってゆの!?」 「…………」  吊り上がっていたご主人さまの目が、だんだんといつものクールな瞳に戻っていく。 「ご主人さま……あの、あの、ボク……。お化けになったったのかな……」 「なんであろうとかまわん。……お前であるなら」  イタズラが成功した時よりも嬉しそうに、幸せそうに、ご主人さまが目を細める。  ……ボクのご主人さまはワガママです。  その破天荒なワガママは、死者を呼び戻してしまうほど……。 「でもでも、ボク……もう骨でち。なんか不気味だし、前みたいにちゃんと家事がでちるかどうか。……あっ」  ボクの頭蓋骨がフワッと宙に浮きあがった。そのままなんとなく気持ちが命ずるまま、移動が出来てしまう。 「おお、便利だな。よし、私が布か何かで身体のカバーをこしらえてやろう。足と手は適当にタコ糸か何かで繋げばいい」 「ハリボテみたいでち……それだって充分不気味」
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