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鉄平は自分が伝えたい前に他人に読まれてしまう事を前提に書かねばならなかった。
弟達には適当でいいや、中国は暑いとか!
列車は酷い時には 走った方が速いくらい遅いとか。
いやまてよ 速度が推測されるような事、書いたらまずいのか?
おばあちゃんにはなんて書こうか、祖母宛てなら検閲官も多目にみてはくれないのだろうか、
こうなってくると若くて美人な女性の写真でも送って貰えばいい、という噂をどこまで 信じていいのか
考える鉄平に、列車の速度が歩く程になっていても違和感を感知する事はなかった。
そしてプシッ プシィーと音を鳴らして列車が完全に停まった時にやっといつもと違う事に気が付いた。
ほぼ聞いた事のない轟音と振動に見舞われた時それが爆発であり、襲撃によるものだとは鉄平の想像を超える出来事だった。
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