2.おじや始めました

7/10
前へ
/30ページ
次へ
 千尋はまた土鍋をコンロにかける。そしてご飯をブチ込んで、煮始めた。  すでに一度、煮えているので、すぐにクツクツと炊けてくる。  吹きこぼれるないよう気をつけながら、五分ほど。 「はい『豚おじや・大盛』お待ちどうさま」  と、千尋はまず長机に鍋敷を敷いてから、土鍋を置いた。  それから鍋掴みをはめた手で、フタを持ち上げて、ひっくり返して机に置く。  そのフタの上に、ちょこんとレンゲを乗せた。 「そのフタは穴が無いタイプなので、取り分ける茶碗代わりにしてください」  海苔はいりますか? と言われて「うん」と圭助は頷く。  千尋は予め細かく切っておいた海苔を、パラパラとかけた。 「ポン酢と七味は、お好みでどうぞ」  と、市販のポン酢と七味の小瓶を、コトリと鍋の横に置いた。  圭助はレンゲでおじやを混ぜてからすくい、フタに取り分ける。  軽くポン酢と七味をかけて、口に運んだ。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加