3人が本棚に入れています
本棚に追加
「一応、二人とも生命保険に入っていたので。とりあえず生活や学費には困りませんでしたが。私は一人ぽっちになってしまって。何故こんなことになったのか、よく考えたんです。私なりに出した結論は『偏った食生活は自殺行為である』でした」
「そっか。それでたどり着いたのが『おじや』なんだ?」
「はい。炭水化物・緑黄色野菜・肉や魚などの蛋白質、それらをまとめて摂取できます。よく煮込んであるから、消化にも良いです。体も温まります」
圭助は大盛おじやをペロリと平らげた。
満腹だが胃にもたれる感じはゼロ。体がポカポカと暖かい。
「開店したばかりだから、花輪でも作ろうか?」
「え? う~~ん。屋台だから、終わった後、置きっ放しになっちゃいますよ?」
あ、そっか。と圭助は苦笑いする。
営業が終わると、片づけて帰るのだ。花輪だけここに放置されてしまう。
「じゃあ、花瓶に生けられるぐらいがいいかな?」
「倒れて割れるかも、だから。そうですね。もしいただけるのなら、苔玉でいいですよ」
最初のコメントを投稿しよう!