1.ある日のこと

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「え~~と。親父、どうだろ?」  と圭助は後ろを振り返り、父親の雅文に話をふる。  玄関の上がり框に立って、話を聞いていた雅文は、とくに表情を変えずに答えた。 「べつに構わないよ。汚したりしなきゃね」 「もちろん、きちんと片づけや掃除はさせていただきます」 「ならいいよ。そうだな。場所代として、五千円でどうだい?」 「え……。日に五千円ですか?」 「月に五千円だよ」 「え。そんなに安くて、いいんですか?」 「空きスペースだからね。電源とかもないし。どうだい?」  千尋はしばし虚空を見つめてから。  お願いします。ペコリと頭を下げた。
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