転機

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   俺がそんなことを考えていると、始業を知らせる放送が入った。  有沢は自分の席に戻るべく、同僚の机を後にする。  「あ、始まるな。んじゃまた。」  「おう、色々ありがとな。」  「気にすんなって。あ、今日飲みに行く?」  ちなみに、こいつはかなりの飲んべえである。付き合ったが最後。  「いや、遠慮しとくわ。」    「つれないねぇ智也クン。分かったよ。それじゃ。」  俺は自分の席に戻る有沢を見送った後、デスクの上の資料に目をやる。  すると、見慣れないルーズリーフに、殴り書きで何か書き込んであった。見ると、俺からのアドバイスをメモしといたから確認しておけ。有沢。と記してある。  「助かる、有沢。」  有沢に感謝しながら、俺は会議の報告書をまとめ始めた。
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