5人が本棚に入れています
本棚に追加
俺がそんなことを考えていると、始業を知らせる放送が入った。
有沢は自分の席に戻るべく、同僚の机を後にする。
「あ、始まるな。んじゃまた。」
「おう、色々ありがとな。」
「気にすんなって。あ、今日飲みに行く?」
ちなみに、こいつはかなりの飲んべえである。付き合ったが最後。
「いや、遠慮しとくわ。」
「つれないねぇ智也クン。分かったよ。それじゃ。」
俺は自分の席に戻る有沢を見送った後、デスクの上の資料に目をやる。
すると、見慣れないルーズリーフに、殴り書きで何か書き込んであった。見ると、俺からのアドバイスをメモしといたから確認しておけ。有沢。と記してある。
「助かる、有沢。」
有沢に感謝しながら、俺は会議の報告書をまとめ始めた。
最初のコメントを投稿しよう!