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そして、レン君はこう続ける。
「分かった。加代子、今から会えないか?」
「...えっ?」
レン君からの突然の申し出に、私は戸惑う。
「仕事は、良いの?」
「良いに決まってるじゃないか。加代ちゃんを悲しませちゃった罰だ。今から僕が、久しぶりにご馳走するよ。」
「...レン君!」
久しぶりに、会える。私の王子様に。愛するレン君に。
「じゃあ今すぐ会社出るから、待ち合わせして行こう。」
「どこに行くの?」
「今まで僕が連れていったことない、取っておきのお店に、ね。」
「...うん!」
これまでのことを忘れ、私はすっかり有頂天になっていた。
「よし、決まりだ!じゃあ地図を送るから、その場所で会おう。」
「うん、分かった!」
「じゃあ、また後でね。愛してる。」
「...うん!愛してるっ。」
これから起こる奇妙な出来事を、知らずに。
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