蜜隣ーmitsurinー

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それから六時間が過ぎ、子供を寝かしつけた私は夫がお風呂に入るタイミングに合わせて応接間に移動した。 応接間にある本棚には夫が集めた中古本の他に、お互いの卒業アルバムも立て掛けてある。 本棚から高校の卒業アルバムを手に取った私はソファに腰を下ろし、ゆっくりとページをめくる。 懐かしいクラスメイトの顔が並ぶ中、何も知らない初々しい頃の自分の斜め下に、爽やかに笑っている彼の写真があった。 私は彼の写真を指でなぞりながら、十年前まで隣に並んでいた自分を思い出す。 彼が隣に越して来なければ、このアルバムを開く事は無かったのかもしれない。 『お前多分、俺の事好きだろう?』 頭の中に彼の声が響く。 少しずつ、私の心は十年前にトリップしていったーーーー。
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