ある合唱団での少女の歌

2/4
前へ
/39ページ
次へ
 さて、その日本の首都、東京の郊外の小さなホールで、ある少女が歌を歌っていました。 とってもかわいらしいソプラノで、少ない聴衆ながらも、みんなその天真爛漫な歌い方に聞きほれていたようでした。 少女の名は、グートルーネ。 とても歌うのが好きな少女でした。  ドイツの片田舎で育った彼女は、親の仕事の関係で日本にきたのでしたが、まだ慣れないこの東京の郊外で、少しでも楽しみを見つけるため合唱団に入り、今日はその発表会でソロを歌っていたのでした。 グートルーネにとっては、大好きな歌を歌えれば幸せでした。合唱団のメンバーも、グートちゃんはとっても楽しそうに歌うねと言って、彼女をたくさん褒めてくれました。 今回も、少ない観客ではありましたが、みんな合唱団の楽しい雰囲気に大満足の様子でした。ただひとりを除いては。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加