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この人物の回、ちょっぴり長めになる予定です。
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? said
な、何であいつらが居るんだっ
よりによってあの2人にこの姿を見られるなんて……
さっきから変な男や女共に追いかけ回されるし、もう本当に最悪だ。
『あらぁ、涙目になんかなってどうしたのかしら?
気の強そうな可愛いお嬢さん。
お姉さんが慰めてあげるわよ?』
「け、結構だ!!」
『あらん、つれないわねぇ~』
「失礼するっ!!」
ねっとりと絡み付くような視線ときつい香水から逃れるように、慣れないヒールふらつきながら駆け込むように休憩所の個室へ入って鍵を掛ける。
「うぅ……俺が何でこんな目に遭わないといけないんだ……グスッ」
我慢していた涙が次から次へと溢れてくる。
男が泣くのが恥?プライドはどうしたって?
そんなものを持ってたって何の意味もないだろう!
一人の時くらい勝手に泣かせてくれ!
元より猫を被ってない時の俺はこういう性格なんだ!
こんなことになると分かっていたら……あの時に強がってアノ話に乗るんじゃなかった。
時間を巻き戻せるなら、あの時のバカな自分を殴ってでも止める。絶対止める。
そうすれば、友人になりたいと思っている人と、極力弱味を見せたくない奴に女装した姿を見られるなんて悪夢を体験せずに済むのだから……
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