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「で、エドのパートナーはどの子?」
「もしかしてチューし返されたあの子?」
「あ~レイカちゃん?
あの子、綺麗な顔してるしすごく良い身体してるわよね~」
「容姿が良くても、私は好ましくないです」
「わたくしも同感ですわ」
「……そのレイカという人物は誰なんだ?」
気になったのか今まで黙っていたキヨハルが疑問を口にした。
「あれ~?キヨハル知らない?」
「キヨハルあの日一緒にいなかったっけ~?」
「あの日は、お弁当があると言って、カフェテリアには来ませんでしたわよ?」
「「そーだった!」」
「あのね~レイカは結構面白い女の子なんだよ~」
「私たちに物怖じしないでズバズバ言うし~」
「エドがレイカちゃんにキスした時なんて、レイカちゃんは驚くとかの前に、逆にエドをキスで翻弄してたわ」
「…………物怖じしない……キスで翻弄。
つまりは、かなり肝が据わっているジュリア以上に奔放な女性ということか?」
ジュリアの言葉に眉を寄せたキヨハル。
キヨハルの母国では、男女共に貞淑を重んじ、婚姻するまでは清らかな関係のままでなくてはならないという古い慣習がある。
最近では、人前で手を繋いだり軽いキスをしたり等までは許容されて寛容にはなっているが、それは市民階級間での話だ。
まして、キヨハルは櫻月大和国……通称、大和国の第一王子。
王族教育ではそれは厳格に慣習を守るように教育されているだろうから、キヨハルが眉を寄せるのも納得だ。
とりあえずだ、俺は皆が話に気がそらされているうちにこの場から逃げようと思う。
「ん~ジュリアとは同じ系統だけど……なんか違うかな?」
「ジュリアは常に色気ムンムンで、あ~食べられそうって感じな妖艶系じゃ~ん?」
「だけど、レイカはふとした時の色気が下僕になりたいって思わせるようなヤバい感じの妖艶系?」
「普段は姉御肌な感じで、学年問わずにお姉様って言われてるらしいけどね~」
「2人共、何故彼女にそんなにも詳しいんです?」
「気に食わないと言っていたのではありませんの?」
「まぁね~」
「だけど……ってエド!どこ行くの~?」
……話に夢中になってるうちに逃げるという計画が!
リリー!何故ここで気付くんだ!
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