守るべきもの

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ーーー教会。 夜が明けたばかりの日差しの中でピンク色の髪の少女が女神像に祈りを捧げている。 ピンクのドレスに白い肌、あどけなさの残る顔の美少女。 「神様、いち早くモンスターがこの世から滅び、人間に住みよい世界を与えたもう…」 ピンク髪の少女はエリザ。 ローラン帝国の姫である。 彼女もまた、モンスターを憎んでいた。 憎んでいたというより、モンスターがいなくなる事が、人間の、また民の為になると考えていた。 やがて、向こうから黒い衣装を纏った神父がやってくる。 「姫様、モンスター狩りをする戦士達がもうじき集まります。身清めの準備をなさってください」 神父は言う。 「はい」 エリザは神父の言うようにプロテクトドリンクを持って戦士達の元に外に出た。 ーーー 兵士達は正しく整列をし、姫を出迎える。 「ミステリア森のモンスター討伐に通う戦士達よ、ここに無理やり集まらせてしまい申し訳なく思います、しかし人間に住みよい世界を実現するのにあなた方の力が必要です!」 幼さの残るエリザ姫は力強い声で規律正しく集まる兵士達を激励する。 戦士達の中にはイシュ、そして稽古をつけていたギルスもいた。
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