婚約

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そうだねとルークが頷いて、シィンは集合の合図を風にのせる。 全員がアークたちの周りに集まり、貸し出された靴を脱ぐ。 「ああ、結局上達しませんでした…」 ミナが言えば、ファラも意気消沈した様子で言った。 「わたくしもですわ」 それを聞いてデュッカはミナを見る。 「俺は楽しかった」 「えっ、それはあれですか、反応がどうとかいう…微妙です」 スーはファラの長い髪を後ろに流しながら言った。 「俺も楽しかったよ」 ファラはそうですか?とスーを見上げる。 「ああ…ファラがかわいくて」 ファラは赤くなり、聞いていた他の者たちは視線を泳がせたり…思うところあったり。 「ロっ、ロアおじさまっ、どこかいいお店知ってます?」 「ああ、うん。湖が見える通りのガナショという店がいいんじゃないかな」 そういうことで、早速その店へ向かう。 ガナショは客の目の前で、熱した鉄板で調理をしてくれる店で、調理台の向こうが港の景色になっていた。 アークとアルは、主に肉類を焼いてもらい、その他の者は魚介類を焼いてもらった。 料理を充分に味わいながら、今日の素晴らしかった曲芸の話や、先ほど行った遊技場の各遊技について話し、それぞれの関心事へと話題は流れていく。 サリは昨日聞いた、レシェルス区の川の水量が極端に減った件について、心配ですわねと言った。 「帰ったら行ってもらうかもしれない。新たに出現した彩石が川を塞いでいるのだとしたら、デュッカにでも退かしてもらうのが適当だと思うけど」 まだ実態を調査させているところなので何とも言えない。 水源が尽きたのだとしたら、別の水源を探して、森林の整備の見直しを図るのだ。 サリは大きく頷いて、できることであればなんなりと、と言った。 その少し離れた席で、ロアはデュッカに、明日は風の宮に行くようにと言われていた。 「大体処理しているが、いくらか意向を確かめたい件がある」 「風の宮のことはロアが処理していたんですか?遠征に行くようになってから?」 尋ねるミナに、ロアが答えた。 「風の宮の面倒は四の宮のうち誰かが見る。デュッカに代わってから俺になった」 ミナは頷いた。 自分のせいでロアに迷惑をかけるようになったのかと少し不安になったのだ。 その気持ちを察したように、ロアは微笑んだ。
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