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それからミナとデュッカは、王城を通り抜けて、表神殿に向かった。
見送った3人の行程に根付く不安を振り払い、ミナは徐々に気分を浮き立たせた。
今日はともかく自由な休みなのだ。
足取りを軽くして風の宮に行くと、デュッカは留守を預かっていた者たちに驚かれながらも用事を済ませ、ふたりは、9時半ば前には大通りに向かっていた。
そちらのいくつかの店で、デュッカは必要な物を買い揃え、ミナは町を見て歩く。
思えば、レグノリアに来てから、遠征で町を離れることが多かったとはいえ、用事もなく町をぶらつくことがなかった。
ミナは人波のなか、裏通りを自由に見て歩き、いくつかの小さな店の中に入っては、珍しい品物などに目を留めた。
昼食はふたりで、港のユーリーヴァルという店に入り、主食や主菜などがひと皿に盛られた定食をいただいた。
「ああ…なんだか楽しいです!ありがとうございます」
その言葉にデュッカは満足し、これからも度々連れ出そうと思うのだった。
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