0人が本棚に入れています
本棚に追加
異世界、そういった類のものがあるのは、恐らく、オーヘンリーとか村上春樹とか、まぁ、そういった有名作家じゃなくて、無名作家でもいいわけだし、勿論、シェイクスピアだって魯迅だって芥川龍之介でも夏目漱石でも、とにかくだれでもよいのだけれど、少なくとも、創作物の中に含まれているのだ。
現実世界に異世界がある、そう仮定した場合、それは本当の意味での異世界なのか、では、本当の現実は果たしてどちらになるのか、などと問われれば、「知らない」若しくは――正しく言うのならば――「わからない」と答えるしかないのである。
そうすると、異世界というものは存在しないのではないか、という、いたって簡単な結論に至ることもあるのだけれどならば、それを証明しろ、などと言われれば、もう何も手が出せない。なお、残念ながら、私は足では文字が書けないので、足も出ない、という必要はないのだ。
で、結局、何を言いたいかというと、「異世界」という定義は、現代のこの時間軸上には存在することのできない意味が含まれている、と、そういった結論に至る、ということだ。べつに、 言いたいこと、と言っても、どこにもそんなことを書かれていないから、はっきり言って、これは、まとめというよりは、意見というべきなのだろう。
で、異世界の話に戻る。先程までは、ただの意見だ。
異世界がないなどとは言っていない。
無いと思う、と繰り返していただけだ。
勿論。目の前にあるなんて、そんなバカげたことじゃない。
後ろにあるわけでもない。
今、私の目の前には、一人の少年がいる。ただそれだけだ。
あとはいたってごく普通の、街並み、である。
最初のコメントを投稿しよう!