序章

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首元に手をやると優しく撫でる。 「にい…さま…?」 震える声でやっと声を上げると、兄は優しく微笑んだ。 「覚えているか?僕がお前の首を締めた事…?」 優しいが、どこか背筋に冷や汗をかいてしまうような恐ろしさを湛えた笑顔だった。 「そんな事…んっ」 覚えがないと言おうとすると首元に顔をうずめ唇で食んで来た。 そして濡れた舌で舐め上げられる。 「あ…っ、駄目です、お兄様…」 首元から鎖骨の辺り、さらにその下へー 桜の寝間着の浴衣に手を掛けようとする兄を制止する。だが、強い力に拒まれる。 「きゃっ!」 両腕を左手で押さえつけられた。 着物を肌蹴させられると下着が露わになる。 菊は背のホックを外すとブラを上にずらした。 乳房と淡く色づいた先端が外気に晒され微かに身震いした。 それを容赦なく、兄は口に含んだ。 「っふ…あ…」 異性にそうされる事を決して想像しなかった上に実の兄に手出しをされている事に恐怖を感じつつも 兄も私と両想いだったのだろうか、という嬉しさがこみ上げる。 「あっ、にいさま。そんなところ、触れてはなりません…」 「誰の赦しもいらない、お前はただ兄に身を任せていればいい…」 菊は味わうように右手で房を揉みながら先端を口に含み、飴玉のようにしゃぶった。 「ひゃっ…う…にいさま、どうして、こんな…」 未感覚の刺激と兄の優しい横暴に桜は泣きながら反論をしようとした。だが唇を塞がれてしまう。 「ん…」 「う…んん…っ」 噛みつくような口づけ。唇で桜の唇を割ると舌をねじ込んでくる。舌を舌でねっとりと絡み取った。 「ふ…うう…んん…っ」 息苦しくなってくぐもった悲鳴をあげたが菊は桜の声を聴かずに口づけをし続ける。 そして兄はおもむろに唾液で濡れた胸の先端を強く握ってきた。 「んんんんん…っ!」 桜は仰け反り体をびくりと震わせた。 菊は唇を解放した。べったりと唾液がこぼれてきて糸を引いた。
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