5章

8/20
前へ
/28ページ
次へ
「…ついにこれを出す時が…僕の代で来るとはね…」 菊が居たのは学校の旧校舎の前だった。 彼は黄色いテープを掻い潜るとその中に入ってゆく。 桜井警部と早乙女刑事の時と同じだった。まるでそこだけ空間が切り取られたかのように 屋外の部活動に来ていた生徒には一切菊の姿は見えていなかった。 彼はギターケースを下し中身を空けた。 そこにあったのは見事な柄に入った大きな剣だった。 それをゆっくりと開ける。青白い光を纏った鋭い刀身が姿を現す。 気が付くと菊の髪は白く染まり、双眸は赤くなっていた。 自身の姿を刀身に映す。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加