モノローグ

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鬼 数多の伝記に登場する異形の化け物である。 この世界では鬼に関わるものが数多に存在しているのを知っているだろうか? 書物の架空の存在としてではない、鬼の実在を君は認識する事ができるか? 事実この物語の惑星の成り立ちにすら鬼と呼ばれる異形が関わっている世界。 ここを作り出した12人の若者たちは黒衣を纏い夜間に多く活動し血を啜る…その特徴から吸血鬼とも呼ばれていた。 この物語の舞台はその惑星の創生から長い年月を得た21世紀の東京。 純粋な鬼は殆ど姿を消したに等しいが、今でもその血を絶やさず受け継がせようとする旧家も存在していた。 その旧家の人々が日本だけでなくこの世界の金、モノ、人を動かしている。 しかしその旧家を除きほとんどは鬼の血を微量に引くただの人間にすぎない者ばかりがこの世界に存在している。 稀に先祖返りを起こし、理性をうしなった鬼の化物のような異形となって魔力の増大する月夜に躍り出るものも少なくなかった。 それを狩るものも多くこの都市、東京には存在している。 今回はその内の一人に着目をしてみよう。 これは、鬼を巡る愛と狂気の物語。 月が満ち、紫色の双眸が赤く染まる時、悲劇は再び繰り返される。
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