134人が本棚に入れています
本棚に追加
五名は半円を描くように椅子を並べて座っていた。
その右から二番目にアイツがいた!
「何っていう曲だっけ?」
藤村が質問してきた。
彼も聞き覚えがあるが、曲名がわからないのだろう。
俺は首を横に振る。
「なんかさあ、ここっぽい曲だよな?」
藤村のここっぽい曲っていう言い方が可笑しくて、プッと吹き出してしまった。
「シーッ!」
俺たちが立っているすぐ前の黒っぽいワンピース姿の女性が振り返った。
メガネをかけたその女性は、人差し指を口に当てて俺らをジロリと見てたしなめた。
最初のコメントを投稿しよう!