第 1 章  高嶺の花

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五名は半円を描くように椅子を並べて座っていた。 その右から二番目にアイツがいた! 「何っていう曲だっけ?」 藤村が質問してきた。 彼も聞き覚えがあるが、曲名がわからないのだろう。 俺は首を横に振る。 「なんかさあ、ここっぽい曲だよな?」 藤村のっていう言い方が可笑しくて、プッと吹き出してしまった。 「シーッ!」 俺たちが立っているすぐ前の黒っぽいワンピース姿の女性が振り返った。 メガネをかけたその女性は、人差し指を口に当てて俺らをジロリと見てたしなめた。 
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