第 1 章  高嶺の花

13/16
前へ
/392ページ
次へ
それが校則なのか、生徒の髪型がみんな同じに見えた。     そんな姿でも、俺の目に映る若咲は五人の中でピカイチだ。     アイツがギターを弾けるとは知らなかった。 二曲目も聴いたことはあるが、曲名は知らない。       小学校の音楽の教科書に載ってるような親世代の曲かなと思ってしまうメロディーだ。 そんな古臭い曲を、五人は最後まで上手に弾き終えた。 例のシスターが拍手して、先程と同じく観客が遅れてパラパラと拍手を送った。 もちろん、藤村と俺も拍手した。 今度は五人が一斉に立ち上がった。 観客に向かって、五人が丁寧に深々とお辞儀をした。 やや緊張が解けたのか、若咲が微笑んだ。 他の部員も微笑んだようだが、俺の目には若咲しか見えない。
/392ページ

最初のコメントを投稿しよう!

134人が本棚に入れています
本棚に追加