第 1 章  高嶺の花

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「校長先生!」 突然、ひとりの生徒が甲高い声を上げた。         そして、他の生徒たちも例のシスターの方を見た。    「素晴らしかったですよ」 にこやかに柔和な笑顔を見せて、彼女たちに歩み寄る。 俺たちをたしなめたシスターだ。 校長だったんだ! なるほど、熱心に拍手する筈だ。 アイツも部員たちと校長先生に近づき、笑みを浮かべてた。 「おい」 藤村に呼ばれて、渋々廊下に出た。 結局、ギターを演奏している姿を見ただけで、若咲に声を掛けずじまいで帰った。 あの時、思い切って声さえ掛けていたら、その後の状況は変わったかもしれない。 
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