第 1 章  高嶺の花

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オッと……。 その名前を白河江子(しらかわこうこ)から聞いたとき、目に見えないハンマーか何かで後頭部を叩かれたような感覚におそわれた。 実際、クラっとめまいに似たものを感じた。 「桂木(かつらき)君、どうかした?」 成瀬(なるせ)さんが俺の狼狽(うろた)えぶりに気付いた。 「いえ、何でもないです」 成瀬さんは江子に視線を戻した。 「早速、その人に連絡してくれますか?」 「はい、分かりました」 江子は元気よく返事して立ち上がった。 江子が口にした名前。                    片丘若咲(かたおかわかさ)
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