第 2 章 驚き桃の木山椒の木 

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『このまま進め』のお告げに違いない。 席に着く前に、前方からアイツの様子を伺いながらゆっくりとした足取りで進む。 「この席か。ツイテナイなぁ」 わざと大きな声で言ってみる。 アイツの反応をみたかった。 だが、俺を見もしないで俯いた。 「窓際が良かったのになぁ・・・」 もう一度、チラッとアイツの反応を確認する。 依然と俯いたまま。 「桂木、文句を言うな」 チッ、担任が注意してきた。 仕方なく顎を突き出して首を僅かに下げ、謝る動作をする。 椅子に腰かけて、左隣のアイツを見る。
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