第 37 章 雨降って地固まる 

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アイツの肩越しにベッドカバーが見えた。 「中で話さない?」 今歩いてきたエレベーターの方から何人かの話し声が聞こえてきた。 数名の宿泊客が部屋に戻るらしい。 確かに、廊下で喋っていると丸聞こえだ。 躊躇いながら部屋に入った。 「今から空いてるホテルを探すのは大変よ」 部屋の奥まで進むと、アイツはレースのカーテン越しに窓の外を見た。 窓ガラスは雨の水滴で濡れている。 すっかり暮れた外の街灯やネオンがぼやけて見えた。 「だけど・・・」 「アクシデント」  
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