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語尾を濁して口をすぼませた。
「そうだな。確かに子供じゃないからねぇ」
若咲が顎を引いて上目遣いになる。
「桂木君、オオカミの目になってるよ」
アイツのおどけた言い方に懸念が消え、気が大きくなってくる。
「オオカミを招き入れたのは誰だよ?」
俺はアイツににじり寄っていく。
アイツが立ち上がった。
観念したのか、キュッと口を閉じて目を瞑った。
些か顎が上がってる。
その顔は穏やかで艶かしい。
優しく抱きしめる。
へえ、なるほどな。
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