第 37 章 雨降って地固まる 

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リードしていると思っていたが・・・。 どうやら、されてるのは俺の方だな。 アイツはまだ目を瞑ったままだ。 そっと額にキスする。 アイツの頭をぽんと右手のひらで軽く押さえた。 「え?」                        拍子抜けしたような顔になって目を開けた。        憂いを帯びたその瞳に吸い寄せられ、まるでいつも言ってるような口振りでアイツの耳元で囁く。 「カタオカさん、先にシャワーを浴びていいよ」 ピッタリくっついた若咲の上体がピクッとした。 「うん・・・」 「オオカミは忍耐強いんだ」 「もう・・・」 アイツは真っ赤になって、今までに見たこともないくらいの恥じらいを見せて、バッグを抱えてバスルームに消えた。                             完
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