第 1 章  高嶺の花

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なにせ思春期の真っ最中。 持ち込み禁止のエロ本を、その分野にやたらと詳しい(やから)が教師に何度没収されても、懲りずに堂々と教室で雑誌を広げた。 とは言っても、持ち込むことはしなかったが、俺も興味津々でその手の雑誌を楽しみにしていたものだ。 卒業した中学は市内の片隅(かたすみ)にあった。 そこは古くから住む地元の人と俺たちのように新興住宅地に新居を建てた人が住む土地で、急激に人口が増えた地域だ。 その地域に新設の小学校が設立されると、中学の生徒数は劇的に増加した。 全校の生徒数が市内一、二の規模の大きな中学だった。 どちらかというと長閑(のどか)な田園が広がる市内の外れにある中学。 自慢じゃないが、俺の当時の成績は学年トップクラス。
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