第 1 章  高嶺の花

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それを極く当たり前のように三年間を過ごした。 ところが、高校に入ると俺よりもはるかに出来の良い奴は大勢いた。 『井の中の蛙大海を知らず』っていうことだ。 当の片丘若咲は県内唯一のカトリック系の女子校へ入学した。 彼女は信者ではないと思うが……。 そうだ、一度だけ会った。   いやいや、あれは会ったんじゃない。 と言う方が正確だな。   高一の秋。 級友に誘われて、若咲の高校の文化祭を覗きに行った。                         当然、久々に姿を見られることを期待した。 熱心に各イベント会場を見学して歩く級友について回った。 俺が興味のあるのは、そんなイベントではない。
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