第 1 章  高嶺の花

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どれもこれも、どうでも良かった。 ただ、若咲に会いたかった。 会ってどうするなんて、全然考えていなかったが……。 級友は中学時代の同級生の女子を見かけると、気軽に声をかけたり、立ち話をしたりと大いに楽しんでいた。 半ばそんな級友を羨ましく横目で見ていた。 「なんかさ、『(けが)れなき女の(その)』って感じだよな」     目を細めて級友が言う。 俺はフフンと鼻で笑った。  級友の感心する言い方に呆れながらも、俺たちの学校と随分違っていたのは事実だ。               郊外の広大な敷地に建っているせいもあったが、正門に面した校舎の真ん前は綺麗に刈り込まれた芝生が広がっていた。 私立の女子校っぽい小粋な校舎の建て方も、その内装も実に洒落(しゃれ)ていた。
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