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正面玄関を入ると、厳かさを演出したと思われる『マリア像』が置かれてあった。
その横に大きな花瓶。
そこから溢れんばかりに色とりどりの花が活けられてあった。
廊下の所々は大理石に似た石がはめ込まれていた。
この石、本物かなぁ。
そんな疑問をもちながら歩く。
校舎内に流れる空気さえ、俺たちが普段吸う空気と違う。
上手く説明できないが、俺たちの校舎内の空気が淀んでいるとすると、ここの空気は無色透明(元より、空気はそうだが)。
その透明より、更に澄んでいるかのように感じた。
時折、シスター姿の青い目の尼さん教師と廊下ですれ違うと、異国にいるような気分にさえなった。
丁度三階の階段を登ろうとしていたときだ。
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