第 1 章  高嶺の花

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正面玄関を入ると、厳かさを演出したと思われる『マリア像』が置かれてあった。 その横に大きな花瓶。 そこから溢れんばかりに色とりどりの花が活けられてあった。 廊下の所々は大理石に似た石がはめ込まれていた。 この石、本物かなぁ。   そんな疑問をもちながら歩く。 校舎内に流れる空気さえ、俺たちが普段吸う空気と違う。 上手く説明できないが、俺たちの校舎内の空気が(よど)んでいるとすると、ここの空気は無色透明(元より、空気はそうだが)。 その透明より、更に澄んでいるかのように感じた。 時折、シスター姿の青い目の尼さん教師と廊下ですれ違うと、異国にいるような気分にさえなった。         丁度三階の階段を登ろうとしていたときだ。 
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