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小田島が何気なく後方の教室を見やった。
「もう帰るんだ」
「早いな」
藤村が言う。
「目的は果たした」
「はあ?もう?どこで?」
「まあ、君たちはゆっくり見て回りたまえ。じゃあな」
小田島はフッフと、キザな含み笑いをした。
俺たちは背を向けて階段を降りて行く小田島を見ていた。
「小田島って、どことなく不敵だよな」
藤村が言った。
そのとき、小田島が見やった教室の方からギターの爪弾きが聴こえてきた。
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