第 1 章  高嶺の花

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小田島が何気なく後方の教室を見やった。 「もう帰るんだ」 「早いな」 藤村が言う。 「目的は果たした」 「はあ?もう?どこで?」 「まあ、君たちはゆっくり見て回りたまえ。じゃあな」   小田島はフッフと、キザな含み笑いをした。          俺たちは背を向けて階段を降りて行く小田島を見ていた。 「小田島って、どことなく不敵だよな」 藤村が言った。 そのとき、小田島が見やった教室の方からギターの爪弾きが聴こえてきた。 
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