死の金額

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葬儀屋が決まり運んで貰う手筈を調えたら病室に戻った。 親父は機械を全てはずされていた。 俺「まるでただ寝ているみたいだね。」 おふくろ「まだ温かいんだよ・・・」 おふくろも落ち着いたようだ。 俺も娘と親父に触れた・・・・・ 少し硬いが温かい・・・・親父の最後のぬくもりだ。 やがて、看護師さんが来た。 看護師「いったんきれいにして御返しします。服はお持ちですか?」 兄貴「え?あるかい?おふくろ!」 おふくろ「ないよ。」 俺に『常に最悪の事態を想定して行動しろ!』と教えた人は何も用意していなかった。
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