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――おー、ビール早い。
赤いビールは綺麗で、しゅぴしゅぴ、と炭酸が静かに騒いでいる。
サーブしてくれた店員君を見ずに軽く頭を下げて、チューリップ型のグラスの足を軽く摘まんで引き寄せる。
泡が消えないうちに、ずずっ、と一口。
――くー……フルーツビール、うまーい。
甘酸っぱい感じ。
早くここに肉の脂を――。
……ばちばちっ、ばちっ、と私は瞬きをした。
道向こうの街灯の柱の横。細め黒パンツに白シャツの袖を七分まで、くしゃっ、と上げてて、清潔感のある刈り上げのダーク短髪、でこっぱち。
大人の大人な雰囲気にラフで軽い装いが自然で。
そして細めのスクエア眼鏡をしゅっ、と掛けていて――もう一口つけたビールをごっきゅん、と飲み込んだ。
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