20人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
恋に落ちるのは一瞬、って誰が言ったんだっけか。
まさに今、私は落ちている。
涎と共に、落ちている。
――――
もう徹夜は勘弁してくれ、と何度思った事か。
思うばかりで回避は出来ずに今日も残業して仮眠――気絶? のような眠りを一時間ほどして、今。
休日のブランチかランチ、という時間のカフェテラスに私はいる。
道沿いにある店の軒先の日陰、大きなパラソルも手伝って眩しくはない。
組んだ足の方のパンプスの踵を外して、ゆらゆら、と遊ばせる。
さて、何を頼みましょうか。
お腹はぺこぺこに減っている。
がっつり行きたいような気もするけれど、と眼鏡を軽く上げて、選択。
……たまには自分を甘やかしましょうか。
軽く手を上げて店員を呼ぶ。
「はい、お待たせしました。お伺いします」
最初のコメントを投稿しよう!