第1章

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それから暫くは5月の連休に向けた煩雑な業務に追われる日々で 私より遥かに年上の男性からの告白の事は 当初のかなりKY感と尚且つ 毎日全ての女子社員とふざけているチャラい印象が強過ぎたのか あれはエイプリルフールに似た単なるジョークの類だろうと思っていた そうこうしている内に5月が過ぎ6月が過ぎ大好きな夏 偶然乗り合わせたバスの中でも同じ言葉で再度告白されたが此方は全く乗り気ではなく同じグループの同僚として毎日を過ごしていた 人見知りどころではなく、苛めからの対人恐怖症その他を抱える秋瀬も、次第に会社の雰囲気に慣れ年齢性別問わずお喋りの仲間も増える日々 そんなある日、呼び出され突然 「あのさ、お願いだから、見ていると俺超悔しいからこれからは他の男子と話さないでくれるかな?」 寝耳に水とは正にこの事 周りの女子社員とふざけつつも私の周りから離れなかった人 何も言えずその場を離れるしか方法が思い付かなかった 独りきりで初めて恋愛について悩みながら とある本を開いた 恋愛エッセイの中には「自分の事を好きだと言ってくれる男性が現れたなら例えタイプで無くても相手の本気で一途な気持ちに気付いてあげてはどうかな?」 次第に考えが軟化しつつあった
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