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光に透けて少し茶色っぽく見える柔らかそうな髪、女の子も羨むだろうキレイな肌、一つひとつの動作がスローな彼は、この美術室で明らかに浮いている。
「まぁ、頑張って」
まるで心のこもっていない言葉をかけて、ふいっと離れる葉っぱ男。
いまだに驚いたまま固まる私は、彼が右手に持っているものを見て、さらに不可解な気持ちになる。
なんでビン?
ふたの開いた、ジャムか何かの空のビンを手にブラブラ提げている後ろ姿。
彼を凝視しながら、私の眉間のしわは深くなる。
「……」
その時、一瞬嫌な予感がした。
彼が、私の憧れの人の絵の前で立ち止まったから。
そして、ビンのふちをぼんやり眺めていたかと思うと、その手をゆっくり上げたから。
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