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「ていうかさ、そんなに会いたいんだったら、一日くらい塾サボって最後まで美術室にいたら?」 「え?」 ようやくお弁当箱を開いて、まずはウィンナーから、と箸で挟んだ途端、スルッと落ちる。 「あー、でも無理か、沙希は。そんなことできないタイプだもんね。根が真面目だから」 「うーん。……うん。そう、だけど」 真面目だから、というよりは、お母さんにバレると面倒なことになるから、なんだけれど。 私は再度ウィンナーを取って、ようやくゆっくりと口に運ぶ。 「ま、いずれお目にかかれるでしょ。同じ部活なんだし」 「うん。……そうだね」      
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