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「とりあえず手始めにデッサンしてもらったけどさ、次、何でもしていいよ。何かある? したいこと」
ゆるいなー、この部活、と思いながらも、周りを見渡しながら考える。
したいこと……したいこと……。
いくつか出されている石膏像、机に出されたパレット、絵筆、絵の具、黒板に飾られているデザイン画、水彩画、油絵、棚で乾燥させられているキャンバスの数々、重ねて立て掛けられているイーゼル。
そして最終的に目にとまったものは……。
「……あ」
後ろの方にある、イーゼルに掛けられたままの桐谷遥のキャンバス。
あれから一週間会っていない彼の絵は、大小さまざまなビンの輪っかを押し当てられていて、色も少しずつ変化しており、雰囲気がまた変わっていた。
やはり、私がいない時間帯に進められているみたいだ。
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